青い雨 blue rain

香港 街角それぞれのストーリー

回想1‐ 2014

先日、母からの電話であれが娘の生まれた年だったことに気づく。あれというのは2014年夏・雨傘運動。当時のあのストリートの熱気は今でもたびたび思い出す。自分たちの行動で社会が変わるんじゃないかという期待と、それにしてもどうせ何も変わらないだろうという失望がないまぜになったあの晩夏の季節、例年ならストリートは熟れすぎた南国果物の甘ったるい匂いでいっぱいになる頃だったろうか。2014年7月1日香港返還記念日、汗の匂いと埃にまみれ皆で市庁舎までゆっくりと歩いた記憶。そこから続く長い夏の日々。平日は、仕事をさっと切り上げて、ビクトリア・パーク脇にあるオフィスから香港政府市庁舎のあるアドミラリティまで毎晩歩いた。当時英語を習っていた高齢の英国人先生の言葉 ”子供ができて親になると、親は子供の視点で社会をみるようになるんだよ” が妙に心に残るそんな夏だった。なるほどなあと思いながら、その目で世界をみると この世界はなんて綺麗で優しくてキラキラしたところなんだろうと毎日思っていた記憶がある。

 

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